皆さま、こんにちは。
浅草かんわネットワーク研究会 理事長の廣橋猛です。
私は緩和ケア医として、永寿総合病院でがんを中心としたつらい病を抱える患者さん、そしてそのご家族の診療に関わっています。また、病院だけでなく在宅医療の現場にも関わり、これまで多くの患者さんのケアと看取りに伴走してきました。
その経験を通して強く感じているのは、患者さんを支える力は、一人の専門家だけでは生まれないということです。
病院だから見えることがあります。
在宅だから見えることがあります。
看護師だから気づけることがあります。
介護職だから受け取れる言葉があります。
薬剤師だから支えられる安心があります。
それぞれが見ている患者さんの姿は少しずつ違います。だからこそ、互いの視点を持ち寄ることで、患者さんとご家族の生活をより深く支えることができます。
緩和ケアは、最期だけの医療ではありません。
痛みや息苦しさを和らげること。不安に耳を傾けること。食べる喜びを守ること。家で過ごしたいという願いを支えること。家族の迷いや疲れに気づくこと。その一つひとつが、緩和ケアです。
浅草かんわネットワーク研究会は、地域の医療・介護に関わる人たちが、緩和ケアを学び合い、相談し合い、つながりを深めていくための会です。
日々の現場には、答えのない問いがたくさんあります。
「この関わりでよかったのだろうか」
「もっとできることがあったのではないか」
「他の職種や他の事業所では、どうしているのだろう」
「患者さんやご家族のつらさに、どう寄り添えばよいのだろう」
そんな問いを、一人で抱え込まなくてよい場所をつくりたい。正解を教わるだけの場ではなく、悩みを持ち寄り、互いの経験から学び合える場にしたい。それが、この研究会に込めている私の願いです。
私はこれまで、日経メディカルオンラインの連載「二刀流の緩和ケア医」、ニュースレター「二刀流 緩和ケア医の頭の中」、X、YouTubeなどを通じて、緩和ケアの大切さを発信してきました。発信を続けている根底にある思いは、一つです。
死は避けられません。
けれど、最期までつらさを和らげることはできるはずです。
そして、その可能性を本当に形にするのは、地域で患者さんとご家族に関わる私たち一人ひとりです。
困ったときに相談できる仲間がいること。顔を思い浮かべながら連携できる相手がいること。「あの人に聞いてみよう」と思えるつながりがあること。それ自体が、患者さんとご家族を支える力になります。
この地域で暮らす人が、病気になっても、弱っても、最期が近づいても、できる限り安心して過ごせるように。患者さんとご家族が「この地域で支えてもらえてよかった」と思えるように。
緩和ケアを専門にしていなくても大丈夫です。
在宅医療や看取りに自信がなくても大丈夫です。
日々のケアの中で「もっとできることがあるのでは」と感じている方にこそ、ぜひ参加していただきたいと思います。
緩和ケアは、一人で背負うものではありません。
地域で学び合い、相談し合い、支え合うことで、患者さんとご家族の苦しみを減らすことができます。
つらい患者さんを支える仲間を、もっと増やしていきましょう。
皆さまのご参加を、心よりお待ちしています。
2026年5月
浅草かんわネットワーク研究会 理事長
永寿総合病院 緩和ケアセンター長
廣橋 猛

日経メディカルオンライン「二刀流の緩和ケア医」 https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/series/hirohashi/

ニュースレター「二刀流 緩和ケア医の頭の中」
https://hirohashi.theletter.jp/

X 廣橋猛@二刀流の緩和ケア医
https://x.com/hirohashi_med YouTube

二刀流の緩和ケア医 廣橋猛
https://www.youtube.com/@palliativecare_hirohashi
どのような疾患でも、年齢でも、状態でも住み慣れた地域で安心して過ごし続けられるように、地域全体で緩和ケアが提供できること、地域の様々な職種の仲間と顔の見える関係を作っていくことを目指してこの会を立ち上げました。数人で緩和ケアの勉強会から始めましたが少しずつ仲間が増え、患者さん(利用者さん)へ安心のお届けが増えていると確信しています。
この会は病院・地域の垣根を超えて、緩和ケアに前向きに関わっている方々との公平・公正な交流の場として病院・地域の医師・看護師・薬剤師・ケアマネージャ・ヘルパー等の仲間で構成されております。緩和ケアに関心のある方、どなたでもどちらからでもウェルカムです。