勝海舟記念下町浅草がん哲学外来Café

コロナの時代を生き抜く      
~不可解はことばかりが起こるこの世を生きる~

 コロナ感染者数が減少し、秋晴れの爽やかな日が続く中、紅葉見学が待ち遠しいですね。昨日、スーパーでお正月用品が並んでいるのをみてびっくりしましたが、考えてみると今年も残すところ1ヶ月半ですから不思議ではないのですね。紅葉は待ち遠しいですが、今年が終わりに近づいていると思うと心がざわざわとなるのは私だけでしょうか。
 さて11月、皆さんをアッと驚かしたニュースは、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんの死ではないでしょうか。11/9に亡くなられたと11/11のニュースで知りました。がん闘病を経ても生涯、現役の作家であり続けた寂聴さんは99歳であの世に旅立たれました。生きた、愛した、書いた……型破りな行動や発言で世間を驚かせ、自分の道を突き進んだ寂聴さんの自由で逞しい精神は、多くの女性たちを勇気づけてきました。もう少しで百歳でしたから残念な気もしますが、天命を生ききったのだと思います。ご冥福をお祈りいたします。

 11月度の「勝海舟記念 下町(浅草)がん哲学外来」の「オンライン がん哲学メディカルCafe」(以下、「がん哲カフェ」と表記)は、大作家の死の数日後、11月15日(月)に開催されました。
  この日は、がん哲カフェ主宰者の“みやちゃん”こと宮原富士子さんと大阪で「メディカルカフェ あずまや」を主宰するあずま在宅医療クリニック医師の東英子先生の新企画で、読書会「今夜もカードで遊ぼう!」を試すこととなりました。寂聴先生同様、生涯現役の芸術家(美術家)故・篠田桃紅さんの著書「これでおしまい」(講談社)に収録されている貴重なメッセージをテキストにして哲学する時間を持ちました。

 映画監督の篠田正浩さんの従姉妹である桃紅さんは大正2年生まれ、今年3月107歳で亡くなられました。同時代人にアルベール・カミュやロバート・キャパがいるそうですが、両者とも既に他界され“過去の人”となっているだけに百歳をこえることがいかにすごいかがわかりますよね。
  寂聴さんと桃紅さん。共に女性で、高齢に達しても天職としての仕事をきわめ続け、たくさんの印象に残る言葉を残した点で、迷える女性たちのオピニオンリーダー的存在でした。高齢社会の現在、長寿の方は多くいらっしゃいますが、モチベーションを持続し芸術活動に励むというのはなかなかできないものです。

 桃紅さんの示唆に富んだたくさんの言葉(メッセージ)はどれもこれも深い洞察に満ちていますが、この日、私をひきつけた言葉は、

「この世のことは一切が不可解です。だから、あらゆることが起こり得るんです」。

 東先生がテキストとしてカードに記した言葉を、参加したメンバーがどう解釈するか、それぞれの意見をのべる。意見の多様性はもちろん、別の日に読むと(考えると)違う解釈がでてくるから不思議です。

 今年はまたしても地震のニュースが気になり心がざわついているところ。それなのに現在、毎週日曜日夜に放送されているTVドラマ「日本沈没」をみて不安は増幅中。それでも見続けている自分は困った性格だと再認識しています。
 ジェネリック問題も驚きでした。HPVワクチン訴訟の解決がなされていないのに、再び「積極的勧奨」という対応を示した政府の対応にも唖然としています。被害者支援について明白にしないのは被害者でなくても違和感を覚え、弱い立場の人の感情がすておかれ何もなかったことにされている(?)ような印象をうけます。国会議員の文通費の在り方にあきれるだけにその思いは強くなります。この問題は見直しが期待されるようですが、矛盾や不可解なことはまだまだたくさんあります……。
  この世を生きるためには、一喜一憂せず先人たちの哲学に触れてじっくり考える必要があるようです。

★篠田桃紅さんの著書「これでおしまい」(講談社) https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000326676

【2021/11/20 がん哲カフェ】(文・桑島まさき/監修・宮原富士子)

 

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